
現代社会の利便性を、目に見えない場所で支え続ける「世界最強の磁石」がある。1982年に日本人が発明した「ネオジム磁石」です。
一度吸着すれば容易には離れない圧倒的な磁気特性を持つこの磁石は、今や電気自動車(EV)やスマートフォンの進化に欠かせません。磁石・電子部品の専門商社である大浜商事株式会社(東京都豊島区)の鈴木貴広社長は、「ネオジム磁石こそが、これからの技術発展の鍵を握る」と話します。
「ネオジム磁石の真価は、強力な磁力を保ったままサイズを最小化できる点にあります。自動車のモーターを小型軽量化できれば、車体総重量が減り、電費や燃費の劇的な向上に直結する。リニア中央新幹線が走るのも、この磁石の力があってこそです」(鈴木社長)

現在、ネオジム磁石の主要な生産拠点であり、高い生成技術を持つのは中国です。同社の役割は、メーカーが求める高度な仕様を形にする「橋渡し」。中国の製造企業と連携し、オーダーメイドで磁石を供給しています。
「耐久テストを繰り返すため、納品までに2年から5年を要することも珍しくありません。今私たちが作っている磁石は、4年後の2030年に発売される新型車に搭載されるものです。私たちは常に、数年先の未来を走る製品を支えています」

今後、ネオジム磁石を超える存在は現れるのか。その問いに対し、鈴木社長は期待を込めて話しました。
「まだ断言はできません。実は今、日本・世界にはレアアースを使用せず、ネオジム磁石に匹敵する磁力を生み出そうと挑んでいる技術者たちがいます。磁石の世界には、まだ私たちが知らない可能性が眠っているのです」
さらに、鈴木社長が話してくれました。
「私たちは、マグネット製品の提供を通じて、世界中の人々の暮らしを豊かにし、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。マグネットは、目に見えない力で物と物を結びつける存在です。私たちはその特性と同様に、技術と情熱で「人と社会」「現在と未来」を力強くつなぐ架け橋でありたいと考えています。日々の利便性を追求するだけでなく、環境負荷の低減や産業発展への支援を通じ、一歩先を行く社会への協力を惜しみません」
大浜商事株式会社
https://www.ohama-sj.co.jp
