
先日近所のスーパーの「ネット販売始めました!」という知らせに驚きました。何を買うにも「ネットの方が安いかな?」と考える昨今。家具業界だって例外じゃありません。ニトリなど大手チェーンの低価格化路線も相まって家具選びは一昔前とは様変わり。
1962年創業以来、地元密着を掲げ続ける大川家具(本社:さいたま市)のECサイト担当、岩井さんに話を伺ってきました。
-今は学習机などが売れる時期ですか?
新入学に関連する家具は、以前は店頭に新商品が並ぶ10 月頃からご検討される方が多かったのですが、最近は年間を通じて、ネットの口コミをご確認されて店舗に足を運ばれる方が増えました。新入学では無く3,4 年生でご購入される方の割合も増えています。
リモートワークが増えて親子でお使い頂けるシンプルな物を選んだり、オンライン授業に対応できるタブレットスタンド付きなどの機能、コンセントの位置などお客様のニーズに変化があります。

-家具店として大手との差別化は?
2020年に地域密着のECサイトを開始いたしました。一般的なECサイトは全国展開が強みですが、あえて店舗のあるエリアに配送・アフターサービスを限定しております。
家具は末永くお使いいただくものですから、アフターサービスが大切だと考えているからです。実店舗がある安心感はもちろん、特に、ご購入いただいた家具をお届けした際に、古い家具を引き取らせて頂く「不要家具引取」や「家具修理」は、多くのお客様にご利用いただいている人気のサービスです
-「家具修理」はホームページにたくさんの事例が載っていて、興味深く拝見しました。
「家具修理」は、弊社でのご購入の有無にかかわらず承っております。修理を通じて、お客様ご家族のこれまでの歩みに触れる機会が多くございます。
昨年の特に忘れられないエピソードをご紹介します。メールフォームから「本革ソファのシートを張り替えたい」というご要望のお客様からお写真を添えてお問い合わせをいただきました。
メールには弊社で購入されたとの記載はありませんでしたが、お調べしたところ25 年前に弊社でお買い求め頂いたソファであることがわかりました。当時のご購入価格は約10 万円でしたが、現在の張替費用は概算見積もりは50 万円以上。弊社でお求めいただいたお品とお伝えした上で「土台の脚部に不具合が生じる可能性もあり、お買い換えもご検討されてはいかがでしょうか」とご提案申し上げましたが、お客様のご決心に変わりは無く、正式にご注文をいただくことになりました。
出張見積もりと納品の際、お宅にお邪魔致しましたが、その時にご依頼の背景がわかりました。お客様は亡きご主人様が大切にしていたソファをご命日までにきれいにしたいという切実な想いをお持ちだったのです。また、別のお客様からは、「実家で子供の頃に使っていた椅子を修理したいが、家族に費用を理解してもらうのに時間がかかった」と言うお話しも伺いました。
地域に根ざす企業として、単なる修繕ではなく、これからもお客様の思いをつなぐお手伝いを大切にしていきたいと考えています。

-EC サイトにはどんな問い合わせが多いですか?
意外に思われるかもしれませんが、他社EC サイトで家具を購入された方からのご相談メールも頂戴いたします。「買ったのにスペースに合わない」「配送業者が2 階に上げてくれなかった」と言った内容です。
なかには対応できることに限りがあったり、連絡先が不透明なサイトもあり「大川家具なら相談に乗ってくれるかもしれない」と頼ってくださるようです。サービスエリア内でしたら、他社で購入されたものも対応させて頂いております。

-EC 担当なのに、人間味のあるエピソードばかり伺いました。
家具は、多くの方にとってご購入の機会が少ない物です。だからこそ⾧くお付き合いさせて頂きたいと思っています。世代を超えて大川家具を指名して頂く方も少なくありません。引き続き信頼感を育てていけたら嬉しいと思います。
